日産自動車は6日、出荷前の完成車検査で新たな不正が見つかり、国土交通省と対応を協議していることを明らかにした。ブレーキ検査などで不正が発覚したとみられ、車種や台数は月内に公表する見通し。前会長のカルロス・ゴーン容疑者が役員報酬の過少記載の疑いで逮捕され、混乱が続く中で、「終結宣言」をした品質不正がまた明るみに出た。不祥事の連鎖が止まらず、日産は深刻な企業統治の不全に陥っている。
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新たな不正は、出荷前のすべての車を対象とする「全数検査」の工程で、ブレーキなど複数の項目について見つかった模様だ。安全性能に直結するブレーキ検査で不正が見つかれば、スバルに次いで2例目となる。日産はスバルと同様、道路運送車両法の保安基準を満たしていない恐れがあるため、対象車種のリコール(回収・無償修理)を検討する。
日産では昨年9月以降、出荷前の自動車の検査をめぐって相次いで不正が発覚。今年7月には、100台に1台程度の割合で調べる「抜き取り検査」で、排ガスや燃費の検査データを改ざんしていた不正を公表。9月26日に国交省に不正に関する調査報告書を提出した後の記者会見で、山内康裕・チーフコンペティティブオフィサー(CCO)は「完成検査については、膿(うみ)は出し切った」と強調していた。
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だが、その2日後にスバルのブレーキ検査の不正が発覚したことを受けて改めて調べたところ、同様の不正が見つかったという。
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