ノーベル医学生理学賞を受賞するためスウェーデンに滞在中の本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授(76)が8日、ストックホルム市内のホテルで報道陣の代表取材に応じた。「講演が終わり、ほっとしています。毎年講演を聞いているという人から、お世辞かもしれないが『今年は最高だった』と言われ、非常にうれしかった」と語った。
【特集】本庶佑・京都大特別教授
本庶さんは7日夜、カロリンスカ医科大で「私にとって一番重要」と語っていた講演をした。その準備について取材に、「ストックホルム入りしてからも、練習していた」と明かした。滞在中には「子どもや孫たちと美術館に行ったり、船に乗ったりしてみようかと考えている」と話した。
8日には、在スウェーデン日本大使館が主催する記者会見もあった。本庶さんは講演で何度か会場の笑いを誘ったことについて、「僕は笑いをとろうという吉本(興業)的な修業は積んでいない。たまたまこうなった」と振り返った。
質疑のなかで、「ノーベル賞をもらう確率」についても言及した。本庶さんは「先進5カ国には『教授』と呼ばれる人が約34万人いて、毎年10人くらいノーベル賞をもらうとすると、確率は3万4千分の1くらい。ゴルフでホールインワンになるのは2万何千回に1回と言われるので、ノーベル賞の方が難しい」と説明。「私はホールインワンもやっている」と付け加えた。(ストックホルム=合田禄)