将棋の第31期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催)の第6局が12、13日、鹿児島県指宿市で指され、挑戦者の広瀬章人八段(31)が羽生善治竜王(48)に81手で勝った。これで対戦成績は3勝3敗。第7局で羽生竜王が勝てば、タイトル獲得が史上初めて「100期」の大台に達する。敗れると、27年ぶりに無冠となる。
名人への道 藤井聡太
永世七冠 羽生善治
後手番の羽生竜王の誘導で序盤から激しい戦いになり、優位に立った広瀬八段が押し切った。終局は午後0時7分。2日制の対局が2日目の昼食休憩の前に終わるのは極めて異例だ。広瀬八段は「(第7局は)本局以上に注目されると思う。可能な限り準備をして頑張りたい」、羽生竜王は「(2日目の再開の時点で)失敗している気がした。悔いの残らないように、できる限りのことをして臨みたい」と話した。
羽生竜王は昨年12月に竜王を奪取し、「永世竜王」の資格を得ると共に史上初の「永世七冠」を達成した。今年2月には将棋界で初めて国民栄誉賞を受賞した。だが、春の名人戦で敗退。棋聖戦ではタイトルを失い、タイトルが竜王一つになっていた。
第7局は20、21日に山口県下関市で行われる。広瀬八段が勝てば、8年ぶり2度目のタイトル獲得となる。(村瀬信也、村上耕司)