将棋の第4期叡王(えいおう)戦七番勝負(ドワンゴ主催)の第4局は11日、広島県廿日市市で指され、挑戦者の永瀬拓矢七段(26)が高見泰地叡王(25)に132手で勝ち、シリーズ4連勝で叡王を奪取し、初タイトルを獲得した。高見叡王の初防衛はならなかった。
名人への道 藤井聡太
永世七冠 羽生善治
永瀬新叡王は横浜市出身、安恵照剛(やすえてるたか)八段門下。2009年10月にプロ入りしてから常に高勝率を誇り、昨年度は勝率0・800(36勝9敗)で全棋士中2位タイ。昨年度から今年度にかけては15連勝を記録した。受けが得意で長期戦をいとわず、千日手(せんにちて)が多いことで知られる。名人挑戦権を争う順位戦ではB級1組に所属し、A級昇級を狙う。
16年の棋聖戦、18年の棋王戦に続くタイトル戦への挑戦だった。終局後、永瀬新叡王は「3度目の挑戦で結果が出せたことはよかった」と話した。
叡王戦は、棋士とコンピューターソフトが対戦する電王戦の終了に伴い、その出場者を決める棋戦がリニューアル。第3期から将棋界で八つ目のタイトル戦になった。持ち時間が対局ごとに変わるのが特徴で、対局者が選べる。今期は第1局と第2局が5時間、第3局と第4局が3時間、第5局と第6局は1時間、第7局は6時間だった。(村上耕司)