18日午後8時10分ごろ、兵庫県尼崎市大庄北5丁目で火事があり、一部4階建てアパート「大形荘」の延べ約250平方メートルがほぼ全焼した。尼崎南署によると住人とみられる男性1人が病院に搬送されたが、死亡した。1階に住む無職の男(69)が「火をつけた」と話したことなどから、署は19日、現住建造物等放火容疑で逮捕した。
署によると大形荘は全9戸で、うち3戸に3人がそれぞれ一人で暮らしていた。死亡したのは3階の60代男性とみて身元の確認を進めている。1階の焼け方が激しく、男は「自分の部屋の中で新聞に火をつけた」と話しているという。
男は今年に入ってから道に迷って警察に保護されたり、ヘルパーから行方不明者届が出されたりしたことが20回ほどあった。「家の中のものがじゃまになった」とも話しており、署は刑事責任能力についても慎重に調べる。
現場はJR立花駅から南西に約1キロの住宅密集地。出火当時、避難する住民らで一時騒然となった。近所の70代男性は「非常ベルの音を聞いて外を見たらアパート1階の窓から赤い炎が出ていた。ボーンという音がして、ガスボンベのような物が窓から2、3本飛び出してきた」。別の男性は「一帯にものすごい黒煙が漂った。避難したけど鼻の中まで真っ黒になった」と話した。