米ニューヨーク州のアンダーウッド司法長官は18日、トランプ大統領が関与していた慈善団体「トランプ財団」を司法当局の監督下で解散させることに、財団側が同意したと発表した。資金の不正流用の疑いがあり、同長官は「法の支配のための重要な勝利だ」と解散の意義を強調した。
「トランプ財団は小切手帳」NY司法当局が解散求め提訴
アンダーウッド氏は声明で、同財団では「衝撃的な不正行為が繰り返されていた」と指摘。不正にはトランプ氏の大統領選挙運動との違法な連携などが含まれるとして「トランプ財団はトランプ氏のビジネスと政治に利用される(便利な)小切手に過ぎなかった」と断罪した。残された同財団の資産は、アンダーウッド氏側が認めた団体に分配されることになるという。
一方、同州司法当局が6月に同財団やトランプ氏らを相手に起こした訴訟は継続する。訴状などによると同財団は、慈善団体の政治活動を禁じた法律に反し、全米最初の党員集会が開かれる重要州アイオワで選挙資金を集めた。また、トランプ氏のリゾート施設が訴えられた訴訟の和解金や、トランプ氏の肖像画の購入に資金を出すなど不正流用を繰り返したという。
ワシントン・ポスト紙によると、同財団の顧問弁護士は、アンダーウッド氏が問題を「政治化している」と批判したという。(ニューヨーク=金成隆一)