東京・新大久保のコリアタウンが再び、活気づいている。チーズタッカルビやハットグなど韓国の食べ物が「インスタ映えする」と流行。通りは若者らであふれている。
約70年前、新大久保地域にロッテがガム製造工場を設立、多くの韓国人が移り住みできたコリアタウン。平成14(2002)年のサッカーW杯日韓大会をきっかけに、住む街から売る街へと姿を変え、訪問客が増加した。それに合わせ韓国系の店舗が増え始める。翌年に放送された「冬のソナタ」などの韓流ドラマ、「少女時代」などKポップブームが後押しし、02年に約30だった店舗数は、13年には628店までになった。
李明博(イミョンバク)韓国元大統領の竹島上陸などをきっかけとしたヘイトスピーチの影響で訪問客が激減した時期もあった。だが、「街が日韓関係に翻弄(ほんろう)される状態に歯止めをかけたい」と、店主たちは14年に新宿韓国商人連合会を立ち上げ、無料巡回バスの運行や映画祭などのイベントを開き、街の活性化に努めてきた。呉永錫(オヨンソク)会長(66)は「今の若い人たちは、自分が好きかどうかが判断基準。気軽に町歩きを楽しんでもらい、政治に左右されない街にしたい」。(西畑志朗)