メキシコ国境での壁建設の予算をめぐって米国の与野党が対立し、米政府機関の一部が閉鎖に追い込まれている問題で、トランプ大統領と野党民主党の幹部が9日、ホワイトハウスで協議したが、物別れに終わった。政府閉鎖はこの日で19日目。史上最悪の21日間に迫っている。
民主党幹部によると、トランプ氏は同党のペロシ下院議長に「私の壁(建設)を認めるか」と迫った。ペロシ氏の答えは「ノー」。トランプ氏は席を立ち、「話し合うことは何もない」と部屋を立ち去ったという。
トランプ氏は協議後、自身のツイッターに「まったくの時間の無駄だ。私は『バイバイ』と言った。ほかには何もないよ!」と書き込み、民主党側を批判した。
対するペロシ氏も反論。記者団に「彼は、まるで父親に無心するように(建設費を)考えている。それは出来ない」と語った。
トランプ氏は10日、テキサス州のメキシコ国境の町マッカレンを訪問する。不法移民の問題が国家の危機であることを強調し、壁建設の正当性を訴える見通しだ。(ワシントン=土佐茂生)