2020年東京五輪・パラリンピックの招致を巡り、フランス当局が日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)を汚職に関わった疑いがあるとして訴追に向けた手続きを始めたことについて、竹田会長は15日、東京都内で記者会見を開いて汚職を否定した。会見は約7分間で、フランス当局の調査中という理由で質問は受け付けなかった。
竹田会長は会見で「支払ったのはコンサルタント料だった」と改めて主張すると、2016年のJOCの調査チームによる調査結果内容を説明。贈賄の疑いを否定すると、「フランス当局の捜査に協力することで、潔白を証明したい」と締めくくった。
フランス当局によると、竹田会長は五輪招致が決まる前後に、180万ユーロ(約2億3千万円)の贈賄に関わった疑いがあるという。竹田会長は、仏当局が予審の手続きに入った昨年12月にフランスで聴取に応じた。
仏検察は竹田会長が理事長だった招致委が13年7月と10月、シンガポールのコンサルタント会社「ブラック・タイディングズ」に計約2億3千万円を支払ったことを15年末に把握。一部が資金洗浄などに使われた可能性があるとして16年に捜査を始めた。竹田会長は会見で「招致委はブラック・タイディングズ社とのコンサルタント契約に基づいた正当な対価だ」と述べ、贈賄を否定した。
JOCは16年9月、調査チームが日本の法律や仏刑法、国際オリンピック委員会の倫理規定に違反しないと結論づけている。