2020年7月24日に開幕する東京五輪まで、12日で残り500日となった。日本勢のメダル量産が期待される柔道では、選手たちの足元の色が変わりそうだ。会場の東京・日本武道館に敷かれる畳は、新色が採用される見通しになった。
東京オリンピック2020
12日に全日本柔道連盟(全柔連)が発表した。全柔連によると、新色の畳は国際柔道連盟(IJF)のオフィシャルパートナーである中国・タイシャン社が製造。これまでの畳は黄色で場外は赤色だったが、東京五輪では畳は青色、場外が赤色の組み合わせになるという。
4月の全日本選抜体重別選手権(福岡国際センター)で初めて披露され、五輪と同じ日本武道館で開かれる夏の世界選手権でテストされる。黄色と赤色の配色は2011年の世界選手権から採用され、ロンドン五輪やリオデジャネイロ五輪など近年の国際大会では主流だった。黄の暖色から青の寒色へ転換されることについて、全柔連は「観客やテレビの視聴者にとって、より見やすい色を検討した」としている。
色つきの畳の導入は、1964年東京五輪の無差別級で優勝した故アントン・ヘーシンク氏(オランダ)が提唱した。04年アテネ五輪では場内がアイボリー、場外は製造したミズノが「アテネブルー」と名付けた青色を使用。2009年にオランダで開かれた世界選手権では、ナショナルカラーのオレンジが使われた。素材もイグサを原料とする家庭用の畳とは異なり、柔道用は化学素材が原料で、家庭用よりも軟らかく、体をぶつけても衝撃が吸収されるようにできている。(波戸健一)