海上自衛隊の哨戒機が韓国海軍艦艇から火器管制レーダーを照射されたとする問題をめぐる日韓防衛当局間の協議について、韓国国防省は15日の記者会見で、「日本はわが軍艦のレーダー情報全体について(開示を)要求した。受け入れが難しく、大変無礼な要求だ。事態を解決する意思がない強引な主張だ」と非難した。
同省によれば、日本側は14日の協議で、入手したレーダーの周波数情報を公開しなかった。日本は双方がデータを提供して突き合わせるよう求めている。
これに対し、韓国は日本に対し、レーダー周波数や哨戒機の警報装置が作動したデータなどを最初に公開するよう主張し、対立している。
一方、韓国は14日の協議で、海自哨戒機が危険な低空飛行を行ったと改めて主張した。韓国国防省報道官は15日、「日本は脅威を与える飛行ではないと主張したが、我々の乗務員が脅威を感じるほどの雰囲気だったという点については一部うなずく場面もあった」と説明した。
報道官は哨戒機と韓国軍艦艇との無線交信について「お互いに誤解があったとみられるが、日本側も我々が交信に非常に苦労した部分もあった点について一部理解した」と語った。
報道官は「日本がこのように非紳士的な行動を続けていることに対し、深い遺憾の意を表明する」とも語った。
一方、岩屋毅防衛相は15日午前、記者団に対し、14日の協議について「進展がなかったことはとても残念に思っている」と述べた。哨戒機が収集した音声と電波のデータについて日本側から韓国側に提示を申し出たが「同意をいただけなかった」と主張した。また、韓国側が日本側に謝罪を求めていることについて「我が方が謝罪する筋合いはない」と語った。(牧野愛博=ソウル、藤原慎一)