神戸市中央区のワールド記念ホールで2017年5月にあった音楽イベントで、観客が退場時に転倒して重傷を負ったのは適切な対応を怠ったためとして、兵庫県警は16日、会場整理を請け負った大阪市のイベント会社の警備責任者を業務上過失傷害容疑で書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。
事故が起きたのはチャリティー音楽イベント「COMIN’KOBE(カミングコウベ)17」。17年5月7日午後1時10分ごろ、退場する観客で混み合う1階アリーナ席出入り口付近で複数の客が倒れて負傷。大阪府藤井寺市の20代女性が頸髄(けいずい)損傷の重傷を負った。アリーナ席には7千人近い観客がいたとみられる。
捜査関係者によると、警備責任者の40代男性は、アリーナ席への来場者が上限と定めていた6千人に達していたのに、入場規制の実施や新たな出口の開放などの適切な措置を怠った疑いがある。
この日のイベントはワールド記念ホールを含む数カ所で開かれ、100組を超えるアーティストが出演。入場無料で、延べ約3万5千人の観客が訪れた。