厚生労働省の「毎月勤労統計」をめぐる問題で、公表されていた不正な調査結果について、数値を正しいものに近づける再集計に必要な資料の2004~11年分が一部紛失や廃棄されていたことが分かった。再集計が困難となっており、賃金の動きを調べる重要な「基幹統計」でデータがない期間が生じる恐れが出てきた。
厚労省が17日にあった総務省の統計委員会に報告した。この統計は、従業員500人以上の事業所はすべて調べるルールだが、厚労省は04年から勝手に東京都分で全約1400事業所のうち約3分の1を抽出して調べていた。
抽出した事業所数を約1400事業所に近づけるデータ補正をすれば、本来の全数調査に近い再集計値を得られる。だが厚労省によると、その元となる資料のうち、07年1月分の調査で事業所から集めた個別データ▽10年に調査事業所の業種分類を見直した際の基礎資料▽10年以前の雇用保険データ――などが見つかっていない。一部は保存期間を満了したとしてすでに廃棄されたという。このため、04~11年分の再集計ができなくなっているとしている。
総務省は09年、基幹統計を担当する省庁に調査の回答書を永久保存するよう要請しているが、これらは要請前や対象外の資料という。
一方、資料が残っていた12~…