マドゥロ大統領による独裁的な支配で政情が混迷する南米ベネズエラで23日、野党のフアン・グアイド国会議長(35)が暫定大統領への就任を宣誓し、米国やカナダ、ブラジルなど米州の10カ国以上が承認した。一方、中国やロシアが支援するマドゥロ政権は米国との外交関係の断絶を発表。国際社会を巻き込んで、政情不安がさらに広がりそうだ。
ベネズエラ、国会議長が暫定大統領の就任宣誓 米国承認
「(権力を)不正に奪った者をやめさせるため、大統領の職に就くことを宣誓する」。23日午後、首都カラカスの反政府集会で、グアイド氏が右手を挙げて宣誓すると、取り囲んだ市民から歓声と拍手がわいた。各メディアによると、集会には数万から10万人以上が参加したとみられる。
参加したイグナシオ・カスティージョさん(36)は「反政府集会に何度も参加したが、いつも少数派だった。今回は間違いなく多数派だった。マドゥロ退陣を求める国民の声ははっきりしている」と語った。
集会は、今月上旬からグアイド氏ら野党勢力が呼びかけていた。これまでマドゥロ政権は治安組織や民兵組織を使い、野党や反政府活動を抑圧。13日には移動中だったグアイド氏が情報機関に一時拘束される事件も起きた。
しかし、経済運営の失敗から昨…