「賃金構造基本統計」の不適切な調査問題をめぐり、自民党の小泉進次郎厚生労働労部会長は31日、厚生労働省による事実解明が進んでいないことについて「ひとことで言うと、厚労省が回っていない。全体のガバナンス(組織統治)がきいていないところが相当あらわになっている」と批判した。
自民党の厚労部会で、28日に発覚した賃金構造基本統計の不適切調査について厚労省が説明した。省内でチームをつくり検証を進めているが、いつから、誰が始めたのかといった点についても「調査中でわからない」と回答。小泉氏は「基本的なことさえ解明できないのか、理解できない」と話した。他の議員からも「第三者によるチェックが必要ではないか」という指摘が相次いだ。
この調査では、総務省に届け出ていた調査計画では「調査員」が調査を実施することになっていたが、実際には、郵送で配布、回収を行っていた。部会で、厚労省は、郵送調査でも70%台の回収率があり、問題はないと説明。これに対して、小泉氏は「(説明が)まったくスタートからずれている。今、厚労省は回っていない。大変、不安をおぼえる」と批判した。