参院予算委員会が6日、始まった。衆院に続き統計不正が焦点となり、野党側は、厚生労働省による「毎月勤労統計」不正の検証が不十分との批判を強めた。与党は、野党が求めた統計担当の前幹部職員の国会招致を衆院同様に拒否した。
国民民主党の足立信也氏は、毎月勤労統計の不正問題について、厚労省職員らへの聞き取りを当初「身内」の同省職員がすべて行っていた経緯をただした。根本匠厚労相は「年末年始にかかっていた。ある程度、事案の概要がわかった上で(外部有識者に)連絡し、1月10日に集まってもらった」と答弁。また当初の聞き取りに外部有識者を呼ばないと判断したのは「(厚労省)監察チームの主査である(定塚由美子)官房長だ」と述べた。
監察チームの調査を引き継いだ特別監察委員会は「組織的隠蔽(いんぺい)は認められない」との中間報告をまとめたが、第三者性に疑義が指摘されている。
毎月勤労統計の調査不正を厚労省が組織的に判断して始めていたのではないかと足立氏がただすと、根本氏は2003年7月の厚労省の通知文書の記載を根拠に「(当時の厚労省)統計情報部長の決裁だと思う」と答弁した。足立氏は「納得する方はほとんどいない」と批判した。
予算委理事会で、野党は厚労省の「賃金構造基本統計」の不適切調査に関わった大西康之・前政策統括官(1日付で大臣官房付に更迭)の国会招致を求めたが、与党は拒否した。
野党の5党1会派の国会対策委員長らが6日午前会談し、8日以降の新年度予算案などの衆院審議は、与党が大西氏らの国会招致に応じることが前提になるとの認識で一致した。