近畿大学(大阪府東大阪市)の男子学生がテニスサークルの飲み会後に急死した問題で、近大は7日、学生らへの聞き取り調査の結果を公表した。飲み会では学生たちがしばしばウォッカを一気飲みし、常に激しい飲酒を前提とした介抱役を事前に決めていたという。近大は近く検証委員会を発足させる。
飲酒後に近大生急死、同席学生を告訴「適切な処置せず」
死亡したのは経済学部2年だった登森勇斗(ともりはやと)さん(当時20)。吐いたものがのどにつまったことによる窒息死だった。介抱した学生6人が適切に処置しなかったとして遺族が告訴し、大阪府警が保護責任者遺棄致死容疑で調べている。
近大によると、2017年12月11日夜、大学近くの飲食店で、サークル仲間11人の飲み会が開かれた。登森さんは30分ほどでウォッカをビールグラスで一気に2杯飲むなどして倒れた。約2時間後、介抱役として近くで待機していた5人が、同席していた学生から店に呼ばれ、別の学生の下宿先に運んで寝かせた。翌日、登森さんの死亡が確認された。飲酒の強要は確認できなかったとしている。
介抱役は「はけさし」と呼ばれ、事前に決める習慣になっていた。
サークルはこの飲み会以降活動していない。ただ、今回の調査で16年春の合宿の飲み会で学生が救急搬送されていたことも判明した。大学非公認だったため把握していなかったという。
渥美寿雄学生部長は「問題がある飲み方をしていた。真摯(しんし)に受け止めて繰り返さないようにしたい」と話した。