まぶしすぎる街灯や不必要な照明によって社会生活や生態系に悪影響が出る「光害(ひかりがい)」。都市の発達とともに光の帯が郊外に広がった一方、都心部では大気汚染が改善されたこともあって、近年、夜空の明るさが少しずつ改善しつつある。冬の星座が観察しやすいこの時期、環境省などは夜空の明るさを調査している。 上空約1万3700メートルの高高度から見下ろした夜の東京は、高速道や鉄道網に沿って光が郊外に伸びている。まるで葉脈のようだ。30年前にほぼ同じ高度と方向から撮影した画像と比べると、光の面積が一回り大きくなっているように見える。 朝日新聞の写真アーカイブには、57年に神戸の六甲山上空から大阪方面を空撮した画像もあった。高度は約8400メートル。さすがに半世紀以上も時代が違うとあって、今回撮影した画像との違いは明らかだ。大阪圏の街明かりは海から陸地の奥に広がっただけでなく、湾岸地帯も埋め立てが進んでまぶしくなっていた。 光害は、防犯や安全などの必要な明かりでなく、上空や森林など不適切な方向に漏れる光によって、人の生活や生態系に悪影響が出る状態を言う。まぶしすぎる街灯で逆に路上の人が見えにくくなったり、睡眠が妨害されたりする。星が見えにくくなるほか、街が明るすぎて孵化(ふか)したウミガメが海に戻れなかったり、ホタルのオスとメスが出合えず個体数が減ったりする例も報告されている。 ■大都市では対策… |
都会の光、郊外まで 上空1万メートルからとらえた光害
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