米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が、米タブロイド紙側から「脅迫された」と公表した問題で、米連邦検察が事実関係を捜査していることが8日、わかった。米主要メディアが報じた。同紙の親会社の会長はトランプ米大統領の支援者で、すでに進んでいる2016年の大統領選を巡るトランプ陣営への捜査にも影響が出る可能性がある。
米アマゾンCEO「脅迫された」親政権タブロイド紙から
ベゾス氏は、トランプ政権に批判的な米ワシントン・ポスト紙の所有者でもある。7日、タブロイド紙の親会社「アメリカン・メディア・インク(AMI)」から、親しい女性とやりとりした私的な写真を非公開とする代わりに、タブロイド紙に都合のよい声明を出すよう脅されたと公表。AMIのオーナー兼会長のデビッド・ペッカー氏はトランプ氏の長年の支援者だ。
ペッカー氏とAMIは16年の大統領選の際に、トランプ氏の元顧問弁護士と連携し、トランプ氏と性的関係があったとされる女性2人への口止め料の支払いを手助けしていた。元顧問弁護士が禁錮3年の判決を受けたのに対し、ペッカー氏とAMIは訴追を免れる司法取引で米連邦検察と合意している。
ただ、司法取引の合意期間中に別の違法行為をした場合は、司法取引の内容が無効になる。ペッカー氏やAMIによるベゾス氏への脅迫が認定されれば、口止め料をめぐる事件でも訴追されるおそれがある。
AMIは8日朝、朝日新聞などに、ベゾス氏の主張について「徹底調査する」とのコメントを出した。(サンフランシスコ=尾形聡彦)