米民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員(69)が9日、2020年の大統領選に立候補することを正式に表明した。一部の富裕層が得をする社会を変え、労働者のために戦う姿勢を打ち出した。
ウォーレン氏はこの日、地元マサチューセッツ州にある、1912年に移民の女性労働者がストライキをした織物工場の前で演説。「富裕層が支配する制度に多くの米国の家族が苦しんでいる。私は『もうたくさんだ』と言いたい」と訴え、富裕層の資産に2%を課税する富裕税の導入を打ち出した。ロビイストからの献金や大口献金は受け取らない考えも示した。
ウォーレン氏は破産法の権威で、ハーバード大学などで教職に就いていた。12年の上院選で同州から立候補して当選。昨年11月の中間選挙で再選され、現在は2期目を務める。
ウォーレン氏は「先住民の子孫」と主張し、マイノリティーを擁護してきた。トランプ大統領から「DNA検査で本当に先住民の子孫だったら、100万ドルを寄付する」と挑発され、昨年10月にDNA検査の結果を公表。祖先の一部は先住民だったが、先住民の団体からは「DNA検査で先住民とのつながりを主張するのは不適切」などと批判され、今月初めに謝罪した。(ワシントン=土佐茂生)