売り場から持ち出した空気清浄機を、前日に買った商品だと偽ってレシートを示し、返品名目で現金をだまし取ったとして、奈良県警橿原署は12日、理髪店経営の男(56)=同県香芝市=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。「パチンコをする金が欲しかった」などと供述し、容疑を認めているという。
署によると、男は1月15日午前11時20分ごろ、同県橿原市内の家電販売店で、店内に陳列されていた空気清浄機をサービスカウンターに持ち込み、前日に同一商品を買った際のレシートを示し、「返品したい」とうそを言って現金1万5500円をだまし取った疑いがある。「新車購入費の足しにするつもりだった」とも説明しているという。
署によると、商品に開封した形跡がないため不審に思った店員が、防犯ビデオを確認すると、男が何も持たずに入店した様子が映っていた。男は前日、店の会員カードを示して購入しており、レシートにも会員番号が印刷されていた。登録されていた名前や住所から本人を特定したという。実際に買った空気清浄機は、男が経営する理髪店内に置かれていた。(高橋杏璃)