園児が吐き出した食べ物をまた口に入れるといった不適切な保育を繰り返していたとして、福岡市は15日、同市東区の認可保育所「あかつき保育園」を運営する社会福祉法人「北斗会」に児童福祉法などにもとづく改善勧告を出した。市は条例で、児童の心身に有害な影響を与える行為を禁じる「虐待等の禁止」の規定を定めており、これに抵触すると判断した。
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市は、少なくとも2016~18年度に、保育士8人が「ハロウィーンなどの怖いお面で怖がらせる」「泣くまで怒る」「トイレに行きたがる子どもをほったらかしにする」などの不適切な保育を繰り返していたことを確認したという。
改善勧告では、保育士や管理監督者の処分といった責任の明確化や、保護者への説明を求めている。
同園をめぐっては17年12月、不適切な保育が行われていると市に情報提供があった。園は18年2月、市に対し、「口にテープを貼る」「子どもを倉庫の中に入れる」などの事案があったことを報告。市は再発防止を口頭で指導した。
保育士が口止めされているというテレビ報道を受けて、市が今年1月から特別指導監査を実施。職員約50人を対象とした聞き取りでは、複数の職員が不適切な保育を認めたという。
1月下旬に就任した石橋理恵園長は取材に、「今回の勧告を重く受け止めて改善していく。これから管理体制の見直しと強化に努める」と語った。
市指導監査課の山下雅孝課長は「当時の園長が保育士に求める指導の基準が高すぎて、保育士が子どものそれぞれの育ち方に合わせて支援するという基本からはずれていた」と問題の背景を説明する。市の監督体制については「もうちょっと踏み込んで調査をすべきだった」と話した。(福井悠介)
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