名古屋市教育委員会は13日、生徒に暴言を吐いたり、足を踏むなどの暴力を振るったりしたとして、市立天白養護学校高等部の男性教諭(60)を停職109日の懲戒処分とし、発表した。市教委は「停職6カ月に相当する」としたが、今年度末の定年退職までの処分とした。
弁護士などで作る有識者会議の意見を採り入れた調査報告書も公表し、懲戒処分の対象として12件の体罰や暴言が確認できたことも明らかにした。
市教委によると、教諭は2015年から今年にかけ、生徒に日常的に「チビ」「デブ」などの暴言を吐いていたほか、生徒を蹴ったり、耳を引っ張ったりした。トイレの個室にいた生徒にホースで水をかけたこともあった。教諭は暴行の疑いで今月3日に書類送検されている。
報告書によると、教諭は「こちらを向かせようと足で押さえた」「太っている子に(デブと)言うのはおかしいのか」などと弁明。懲戒対象の事案以外にも、情報提供を受けながら事実確認ができなかった暴言や体罰などが複数あった。
また、監督責任を問い、同校の男性校長(59)も減給10分の1(1カ月)とした。市教委の担当者は「校長は事案を把握しながら市教委に報告せず、本人への指導にとどめていた。結果的に指導で状況は改善しなかった」と話し、校長の責任を重く捉えたという。