柴山昌彦文部科学相は8日の会見で、東京医科大の不正入試問題について、追加の調査を同大に求めたことを明らかにした。同大の第三者委員会が昨年末にまとめた最終報告書は、保護者が通常以上の寄付金などを払った受験生を優遇していた疑いなどを指摘しており、同省は事実関係の確認などを求めたという。
東京医大、寄付と入試優遇に関連性か 問題漏洩の疑いも
柴山氏は「指摘されている内容が事実なら、大学入学者選抜の信頼を大きく害するもので大変遺憾だ。事実関係を確認し背景、原因の究明、再発防止に取り組むよう大学にしっかりと指導していく」と述べた。
昨年12月29日に同大のホームページで公表された最終報告書では、入試で個別に優遇された受験生の保護者らから、通常以上の寄付や仲介者への謝礼があったり、合否をめぐって政治家からの依頼があったりした可能性を指摘。推薦入試での入試問題の漏洩(ろうえい)を疑わせる情報もあったとしている。また、同大の卒業生で自民党前衆院議員の赤枝恒雄氏(74)は朝日新聞の取材に「10年ほど前から、約20人の同窓生の子の合格を依頼した」と話している。(増谷文生)