建物の屋根などを緑で彩る「屋上緑化」。断熱性の向上などを目的に、主に芝生などを使って行われる。近年は、コケの一種「スナゴケ」を使った屋上緑化も、広まりつつある。土や肥料を使わず、手軽にできるのが特徴だ。
兵庫県三木市の住宅街。屋根が緑色の建物が見えた。建物の隣にある車庫の屋根も、一部が緑のコケに覆われている。兵庫スナゴケ技術研究所の山田幸四郎代表の自宅を訪ねた。
山田さんはもともと電力会社の技術者。街に緑を増やす活動に取り組もうと、2003年に自宅に研究所をつくった。コケを使った緑化方法について研究を進め、住宅や工場などの屋上緑化を請け負っている。
「スナゴケを育てるのにふさわしいのは、一日に数時間でも日が当たり、風通しや水はけが良い場所です」と山田さん。芝生のように、肥料を与えなくてもよく育つ。
スナゴケは石やコンクリートの…