政情不安が続く南米ベネズエラで22日、ブラジル国境を越えて人道支援物資を搬入することを求める先住民に治安部隊が発砲し、2人が死亡、22人が負傷した。人権団体などが発表した。独裁色を強めるマドゥロ大統領は「人道危機はない」として物資搬入を拒み、21日に同国境の閉鎖を命令していた。発砲は、23日に物資搬入を強行する姿勢を見せる野党側への警告だった可能性もある。
ベネズエラ、ブラジル国境閉鎖へ 支援物資入れない狙い
人権団体や野党の発表によると、南東部ボリバル州で22日未明、治安部隊がブラジル国境の封鎖のため、先住民ペモンの集落クマラカパイを通過しようとしたところ、ペモンの人々に妨害され、発砲したという。ペモンの人々はブラジル側に越境して支援物資を受け取って生活しており、国境封鎖に抗議したという。
ベネズエラ側の病院では処置できず、負傷者は国境から約200キロ離れたブラジル北部ボアビスタの病院に緊急搬送された。マドゥロ政権側は国境を閉鎖したが、救急車は通過させた。
マドゥロ政権は米国が人道支援…