西アフリカのマリ中部で9日夜から10日未明にかけて、武装した集団が農耕民族ドゴンの人々が暮らす村を襲撃し、少なくとも95人が死亡した。AFP通信が地元当局者の話として報じた。犯行声明は出ていないが、対立する牧畜民族フラニのグループによる犯行との見方が出ている。
事件は、約300人が暮らすモプティ州ソバヌクーの村で発生。武装集団は村民を殺害したほか、家屋に火を放ったり家畜を殺したりしたという。行方不明者も多数いるため、今後死者は増えるとみられている。
この地域では、ドゴンとフラニの人々が土地や水の利用などをめぐって争いを続けている。今年3月には、フラニの人々が暮らす村が襲撃され、約160人が死亡する事件があったばかり。ドゴンの集団が関与したと指摘されており、今回の犯行はその報復の可能性がある。(石原孝)