国家が東西に分裂した状態にある北アフリカのリビアで、対立する政治勢力同士の衝突が激化している。2011年にカダフィ政権が崩壊して以降、不安定だった治安はさらに悪化しており、新たな内戦に発展する事態も懸念されている。
発端は4日、リビア東部トブルクを拠点とする武装勢力「リビア国民軍」(LNA)のハフタル司令官が、暫定政府が支配する首都トリポリへの進軍を命じたことだ。
ハフタル氏はリビア軍の元将校。1987年に軍を離反して米国に渡り、カダフィ政権の崩壊後に帰国した。中東・北アフリカ地域でイスラム過激派が台頭することを警戒するエジプトとアラブ首長国連邦(UAE)などが、ハフタル氏を軍事面で支援しているとされる。
「首都からテロリストを掃討する」。現地報道によると、ハフタル氏の報道担当者は進軍の狙いをそう述べた。LNAなどの民兵組織を動員し、治安維持能力の弱い暫定政府に代わって国を安定させる意図があるとみられる。
暫定政府側は6日、トリポリ郊外でLNA部隊を空爆。一方、LNAの報道担当者も7日、保有する航空機で空爆したと述べた。現地メディアは8日、LNA側がトリポリの空港を空爆したと伝えた。
国連は7日に2時間の休戦を提案したが、守られなかった模様だ。AFP通信によると、これまでの衝突で双方の戦闘員ら少なくとも46人が死亡した。
リビアでは11年2月に「アラ…