80万人以上が犠牲になったとされるアフリカ・ルワンダの虐殺の開始から25年となった7日、首都キガリで追悼式が開かれ、犠牲者を追悼した。
経済成長8%、ルワンダの奇跡 大虐殺から25年
共同墓地があるキガリの虐殺記念館では、カガメ大統領らが、虐殺の歴史を「記憶」することを誓う火をともした。カガメ氏は式典が開かれた会議場で「(虐殺の)歴史は繰り返さない」と誓った。
その後、近隣諸国の首脳らとともに国会から国立競技場までの約2・5キロの道のりを行進。出席した約3万人の人たちがろうそくに火を付け、25年前の出来事に思いをはせた。
虐殺は1994年4月6日、多数派民族フツの大統領が乗った飛行機が撃墜された翌日に始まった。主にフツの政府軍や民兵組織が少数派民族のツチ住民らを殺害。犠牲者は約100日間で、80万~100万人に上ったという。
ルワンダは近年、年平均8%の経済成長を遂げるなど、急速に復興を進めている。ただ、虐殺後に生まれた世代が全人口の半分以上を占め、悲劇の記憶の継承が課題になっている。
式典に参加した会社員ルタレマラ・ビクターさん(22)は、94年の虐殺で親戚を亡くした。「この国で起こった悲劇を理解し、忘れないために参加した」と語った。(キガリ=石原孝)