伊藤忠商事は28日、株式公開買い付け(TOB)を仕掛けたスポーツ用品大手、デサントの石本雅敏社長らと同社の経営体制に関して協議したことを明らかにした。両社の主張はかみ合っておらず、TOB期間中の話し合いを打ち切る方針も発表した。TOBの期限の3月14日以降に改めてデサント経営陣と対話の場を持つとしている。
伊藤忠の発表などによると、1月31日にTOBの実施を発表した後にデサント側が第三者を介して伊藤忠に協議を呼びかけ、2月11日から20日にかけて計4回、伊藤忠幹部と石本氏が話し合いの場を持った。デサント側が協議を持ちかけたことから、伊藤忠側は「事態の変化を期待して臨んだ」(関係者)という。
だが、話し合いを続ける最中も石本氏らが報道機関のインタビューなどで伊藤忠を批判し、TOBに反対する発言を繰り返したため、伊藤忠はデサントの交渉姿勢などを疑問視。いったん話し合いを打ち切る判断をしたとしている。
伊藤忠は現在10人いるデサン…