焼き鳥チェーンの鳥貴族は8日、2019年7月期の純損益が3億5600万円の赤字(前期は6億円の黒字)になりそうだと発表した。7億円の黒字予想から一転して2014年の上場以来初めての赤字に、業績見通しを下方修正した。
売上高も従来予想から20億円引き下げて、358億円(前期比5・6%増)に修正した。
値上げによって、客離れが起きたことが理由だという。今期中に少なくとも20の不採算店舗を閉める予定だ。ほかの不採算店舗でも損失が発生する見込み。
鳥貴族は17年10月、それまでの「全品280円」から、298円(いずれも税別)に値上げした。人件費の高騰などが理由で、28年ぶりの価格改定だった。
その結果、新規店を中心に売り上げが想定を下回った。出店を急ぐあまり既存店と客を奪い合うケースもあった。このため関東、関西、東海の3地域で21年7月期までに1千店舗(今年2月末時点で678店舗)を目指す、中期経営計画も取り下げた。(久保田侑暉)