死ぬ前にしたいのは、トランプ米大統領に会って話すこと――。難病を患う米国の男性の願いを報じたニュースが政府職員の目にとまり、トランプ氏との会話が実現した。尽力したのはトランプ氏と対立する野党・民主党の地方議員の姉。朝日新聞の取材に「私たちには時間がない。政治は関係なく、何とかしたかった」と話した。
男性は東部コネティカット州に住むジェイ・バレットさん(44)。トランプ氏の選挙運動の手法に「恋に落ちた」と言うほどの支持者だ。だが、遺伝子の変異が原因で肺炎や気管支炎などの症状が出やすくなる嚢胞(のうほう)性線維症という難病のため、これまでトランプ氏の選挙集会に参加したり、首都ワシントンに行ったりすることはできなかった。
バレットさんの願いを知った姉ブリジット・ハスキーさんが、フェイスブックで「弟の『死ぬまでにやりたいことリスト』の実現を手助けして欲しい」と投稿。民主党の市議会議員のハスキーさんは、党の同僚らにホワイトハウスにメールを送って働きかけるよう頼んだ。
地元紙「ニュー・ヘブン・レジスター」がこれを報じると、政府職員の目にとまった。ハスキーさんに連絡を取り、トランプ氏との会話が実現した。ハスキーさんがフェイスブックに投稿した動画には、バレットさんがトランプ氏とスマートフォンで会話する様子が映っている。
「ジェイ、君はハンサムに見える。今ちょうど写真を見たところさ」とトランプ氏。「調子はどうだい?」と問いかけた後、「君はチャンピオンだ。(病気と)闘っているだろ?」と語りかけた。
ハスキーさんは朝日新聞の取材…