約2万8千年前のマンモスの化石から取り出した細胞核の動きを確認することに成功したと、近畿大の入谷明名誉教授らの国際研究チームが11日、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した。
マンモスは、ロシア北方のサハ共和国の永久凍土から2010年に発見された「YUKA(ユカ)」(メス、体長約3・5メートル)。保存状態が良く、チームは脚から筋肉と骨髄の組織を採取。そこから生物の遺伝情報を担う細胞の核を抽出し、マウスの卵子に注入した。すると、細胞分裂の直前に起こるような動きが確認できたという。
具体的には、細胞核43個のうち、5個で細胞分裂の直前にできる「紡錘(ぼうすい)体」を形成。そのうち1個は、新たに細胞核をつくろうとしているように見えたという。マウスの卵子がもつ、DNAを修復する能力によって、動く様子が確認できたとみられる。
研究者によると、マンモスの復…