ワシントンの米連邦地裁は13日、米大統領選のトランプ氏陣営の元選対本部長ポール・マナフォート被告に対し、資金洗浄などの罪で禁錮3年7カ月の実刑判決を言い渡した。同被告は、別の地裁で脱税などの罪で禁錮3年11カ月の判決を受けており、禁錮は計7年6カ月になる。
大統領選挙にロシアが介入したとされる疑惑を捜査しているマラー特別検察官が2017年10月にマナフォート被告を起訴した。その捜査のなかで、同被告がウクライナの親ロシア派のためにロビー活動に携わり、多額の報酬を受け取った疑いが浮上していた。
マナフォート被告は、昨年9月、司法取引で捜査に協力することで検察官側と合意。その後、マラー氏はマナフォート被告が意図的に虚偽の供述をしたと主張し、連邦地裁も捜査協力による減刑を認めなかった。
また、判決公判が行われた13日、ニューヨーク州の検察当局が住宅ローン詐欺などが州法に抵触するとして、新たにマナフォート被告を起訴した。
トランプ大統領はこれまで、マナフォート被告の恩赦も否定しない姿勢を示してきた。トランプ氏の恩赦の権限が及ぶ対象は連邦法の違反に限られ、州法は除外される。検察側が、恩赦の動きを牽制(けんせい)した可能性もある。(ワシントン=杉山正)