仏大統領府は21日、欧州を訪問中の中国の習近平(シーチンピン)国家主席が26日に、マクロン仏大統領、メルケル独首相、ユンケル欧州委員長との首脳会談をパリで開くと明らかにした。この4者会談で欧州側は、中国が進めるシルクロード経済圏構想「一帯一路」について、欧州連合(EU)にも利益をもたらすような通商ルールを呼びかける方針だ。
「一帯一路」をめぐっては、習氏が訪問中のイタリアが主要7カ国(G7)では初めて関連文書に署名するなど、EU内で対応が分かれている。中国マネーを呼び込むチャンスとの見方がある一方で、中国企業が欧州市場を席巻しかねないとの懸念も広がっている。
22日のEU首脳会議では、対中戦略が議論される予定だ。マクロン氏らは共通の基本方針を得た上で26日の4者会談に臨み、域内の環境ルールの順守や中国市場の透明性を高めることなどを求めるとみられる。
習氏は21日から26日にかけて、イタリア、モナコ、フランスを訪問する。(ブリュッセル=疋田多揚)