ロシアで北朝鮮製の化粧品や健康食品、建築資材などを専門に扱うインターネット通販サイトを開く計画が進んでいる。北朝鮮の後ろ盾として、国連の制裁緩和を求めるロシアの北朝鮮支援策の一環。ロ朝貿易を増やして経済関係を密にすることで、国連の制裁に苦しむ北朝鮮の外貨獲得を助ける狙いがある。
サイトの設立計画を発案した沿海地方朝鮮協会のワレンチン・パク会長によると、ロシア極東ウラジオストクにロ朝の合弁会社を設け、北朝鮮との貿易やサイトの運営などをする。ロシア側が官民合わせて計約7割を、北朝鮮側が約3割を出資。プーチン大統領が毎年出席し、9月にウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムの今年の開催までに運営を始める目標だ。
北朝鮮との貿易は国連制裁で厳しく制限されているが、パク氏は「商品は全て国連制裁の対象外」という。「品質は非常に高く、需要は見込める。規模は小さいが、北朝鮮の外貨獲得の助けになる」と期待する。
計画は、モスクワで4~6日にあったロ朝の政府間委員会でも話し合われ、合弁会社を3月中に設立することに合意した。インタファクス通信によると、同委員会に参加したロシアのコズロフ極東・北極圏発展相は「貿易が禁じられていない商品の流通を促し、ルーブルで決済する方法を検討している」と話し、国連制裁に触れない枠組みを政府間で協議していることを明らかにした。(ウラジオストク=石橋亮介)