大リーグ・マリナーズのイチロー外野手(45)=本名・鈴木一朗=が21日、アスレチックス戦後に現役引退を発表した。試合後、東京ドームに隣接するホテルで約1時間20分にわたって行われた記者会見は、球団幹部らが多数見学。日本選手としては初めて米殿堂入りが確実視されている、イチローに対するマリナーズ側の敬意でもあった。
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イチローが現役引退「大変幸せ」 28年で4367安打
間もなく日付が変わろうとしていた同日午後11時50分過ぎ、記者会見はイチローの「こんなにいるの。ビックリするわ」という第一声から始まった。室内に集まった報道陣の数は約250人。満席で、立って見守る人も大勢いた。
一般的な記者会見と違ったのは、その「立ち見席」の顔ぶれだ。全て日本語で対応された会見にもかかわらず、会見場の後方には、ジェリー・ディポト・ゼネラルマネジャー(GM)、入団交渉を担当したスカウトのテッド・ハイド氏ら多くの球団関係者の姿があった。代理人を務めるジョン・ボッグス氏は会見場の左側、大リーグ機構(MLB)の広報部長らは右側に立って現場を見届けた。
大リーグでは球界を代表する選手に、様々な敬意が払われる。試合中の選手交代の演出がその一つだ。21日の試合では、イチローが八回の守備に一度ついて直後に交代させられたのは、観客の拍手によって送りだされる場面をつくり出す狙いがあった。
今回のような引退会見も同様だ…