桜田義孝五輪相は26日の閣議後会見で、国会で撤回した東日本大震災に関連した自身の失言について「地元の自民党だけの会合に行った時の話だ」と述べた。内輪の会合での非公式発言だと「言い訳」とも取れる発言で、被災者を傷つけたと批判する野党の更なる反発を招きそうだ。
桜田氏、事実誤認で謝罪 震災時「東北道健全に動いた」
桜田氏は24日、地元・千葉県柏市であった集会で、東日本大震災について「国道や東北自動車道が健全に動いたからよかった。首都直下型地震が来たら交通渋滞で人や物資の移動が妨げられる」と発言。翌25日の参院予算委員会で事実誤認を認めて謝罪、撤回した。
桜田氏は26日の会見でも参院予算委での答弁と同趣旨の紙を読み上げ、失言を改めて謝罪。その後に「地元の自民党だけの会合で、ゲストとして行ったときの話ですので」と続けた。
記者団が発言の真意を問うと、言葉に詰まりながら「いま言ったことが全て」と説明。一方で「地元だろうが、なかろうが、(発言する)内容は同じだ」とも弁明するなど、要領を得ない発言を繰り返した。
桜田氏の失言を受け、野党は事実誤認の発言で被災者を冒瀆(ぼうとく)したとして、辞任を要求。一方で、桜田氏はすでに続投の意向を示しており、安倍晋三首相も「発言の正確さには十分に留意して取り組んで欲しい」と擁護していた。(大久保貴裕)