本州と九州を新たに結ぶ道路事業の調査をめぐり、安倍晋三首相と麻生太郎副総理の意向を「忖度(そんたく)した」と発言した塚田一郎国土交通副大臣が5日、辞任する意向を固めた。自民党幹部が認めた。安倍晋三首相は塚田氏を続投させる考えを示していたが、野党だけでなく、与党からも辞任を求める声が強まり、辞任に追い込まれた。
「忖度」副大臣に地元批判「答弁聞いても納得いかない」
「忖度」副大臣、自民内「辞めれば助かる」 野党攻勢に
安倍首相と麻生氏は5日午前の閣議後に2人で会談。塚田氏の処遇について話し合い、辞任を認める方向で一致したとみられる。塚田氏は4日、派閥幹部に「進退は自分で考える」と話していたという。
塚田氏は、北九州市で1日にあった集会で、自民党の吉田博美参院幹事長から「首相と副総理の地元事業なんだよ」と言われたことを紹介し、「国直轄の調査に引き上げた。私が忖度した」などと発言。その後、発言を撤回し、3日の国会答弁では「我を忘れて事実と異なる発言をした。行政の信頼性をゆがめた」などと陳謝していた。しかし、立憲民主党など野党が塚田氏の辞任を要求。政府や与党からも、統一地方選や今夏の参院選への影響を懸念し、「辞めさせたほうがいい」との声が出ていた。
塚田氏は自民党麻生派に所属し…