麻生太郎財務相は5日午前の閣議後会見で、塚田一郎国土交通副大臣から前日4日に辞意を伝えられたことを明らかにした。麻生氏によると塚田氏は謝罪し、「ご迷惑をおかけしたので辞職したい」と話したという。麻生氏は「政治家の出処進退ですから、自分で決断をしたということだと思う」と述べた。
麻生氏は塚田氏が所属する麻生派の会長。塚田氏は1日に北九州市で開かれた集会で、本州と九州を新たに結ぶ道路事業の調査について、地元の安倍晋三首相と麻生氏に忖度(そんたく)して国直轄に引き上げたと発言した。
塚田氏の忖度発言について麻生氏は会見で「総理大臣や財務大臣が副大臣に頼むかね。普通では考えられない。どうしてそういう発言になったのか」と述べたうえで、「国土強靱(きょうじん)化の一環として(国の)直轄事業になったと報告は来ていた。それを自分がやったように言ったところが問題だろう」と語った。
「議員として選挙の時にはいろいろな発言が過剰サービスを含めてある。今回の発言を見て『えー』と思ったが。本人は一生懸命やったつもりだろうが、我々にとってはそれによっての影響の方が大きいということだと思う」とも話した。(木村和規)