新1万円札のデザインに渋沢栄一が採用された。明治や大正時代に活躍した実業家。「日本の資本主義の父」と呼ばれ、数多くの企業を育成した。
渋沢栄一は、かつて日韓併合直前の大韓帝国(1897年に朝鮮から国号を改称)で、数年間だけ流通した紙幣の肖像になったことがある。
「図録日本の貨幣」(日本銀行調査局編)によれば、渋沢が設立に関わった日本初の民間銀行「第一国立銀行」は、1878年に朝鮮に進出。「第一銀行」への改称を経て、1902年から現地で「第一銀行券」の発行を始めた。当時は1円、5円、10円の3種類。いずれも頭取だった渋沢が描かれ、日本円と引き換えることもできた。その後現地の法定通貨にも認められ、肖像のない、新たな図柄も登場したという。
同行は中央銀行の役割を担った…