元号の典拠として初めて使われた国書は「万葉集」だった。一般によく知られる日本最古の歌集だが、専門家はどうみるか――。 新元号は「令和」(れいわ) 万葉集典拠、国書由来は初 「令和」どう思う?「堅すぎますね」「災害ない時代に」 【詳報】新元号「令和」発表の一日をタイムラインで 安倍晋三首相は1日の記者会見で、万葉集について「防人や農民まで幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書」と述べ、その魅力を強調した。 万葉集に関する著書が多い歌人の佐佐木幸綱さんは「万葉集は明治から昭和前期まで『国民歌集』で、日本人の心の原点として読まれた。戦後、そうした読み方が色あせ、現在は大学の卒論などでも人気はそれほどではない」と解説。そのうえで「山や川、海の描写の細密さ、多彩さなど、現代人が忘れ去った自然への興味と好奇心がうたわれている。この機会に万葉集の新しい魅力が発掘されるのでは」と期待する。 ただ、「令和」の二文字がとられた序文は中国の有名な文章をふまえて書かれたというのが、研究者の間では定説になっている。 小島毅・東大教授(中国思想史)によると、730(天平2)年正月に今の福岡県にあった大宰府長官(大宰帥)を務める大伴旅人(おおとものたびと)の邸宅で宴会があった。そこで「落ちる梅」をテーマに詠まれた32の歌の序文にある「初春の令月」「風和(やわら)〈ぐ〉」が新元号の典拠だ。この序文が中国・東晋の政治家・書家である王羲之(おうぎし)の「蘭亭序(らんていじょ)」を下敷きにしているとし、心地よい風が吹き、穏やかでなごやかな気分になることを意味する「恵風和暢(けいふうわちょう)」という一節と重なるという。 さらに「梅は中国の国花の一つで中国原産ともされ、日本に伝わった。『中国の古典ではなく日本の古典から』ということにこだわった今回の元号選びは、ふたを開けてみれば、日本の伝統が中国文化によって作られたことを実証したといえる」とも指摘する。万葉集研究者の多田一臣・東大名誉教授も「蘭亭序」が下敷きだとして「日本の漢文的な作品は、どう取っても中国の作品に行き着く」と話す。 また、村田右富実(みぎふみ)… |
令和典拠の万葉集序文、「中国の文章ふまえた」が定説
新闻录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语
相关文章
名古屋城に愛知城つくる気? 河村市長が大村知事に反発
「三国志」近年の新発見がズラリ 特別展、東京・上野で
ライトの建築群、世界遺産登録決定 日本にも多数の作品
世界遺産に「仁徳陵」など古墳群正式決定 国内23件目
「地域の宝が人類の宝に」 古墳群、世界遺産決定に歓喜
日本海の島で「無血革命」があった?佐野史郎さんも興奮
異界へいざなう仮面ワールド 個性強いのになぜか似てる
永遠に日の当たらない地下アイドル 斬新プロモが人気
商売っ気強め? 徳川美術館、刀剣展の人気維持へ秘策
「紫電改」が実物大模型に 旧日本海軍の切り札戦闘機
幸せ求め外国人集まる街 スーパー玉出あるがここ日本?
ルイ・ヴィトンもヴィッツも 日本語「ヴ」の存在意義は
家康に背き流刑、ジュリアの涙 神津島の祭り50回目
漱石記念館、ロンドンで再開 天皇陛下の記帳など公開
参拝1日20人→5千人 令和ゆかりの神社、連日大忙し
踊りながら念仏唱える「踊躍念仏」披露 京都国立博物館
ティラノサウルスの歯、遠足で見つけた 新種の可能性も
観光ブームの中国、吐息で敦煌が劣化 東京芸大が複製へ
トヨタ博物館が資料室オープン ミニチュアカー800台
激動の時代、今に伝える昭和館 仲代達矢さんも「感動」
激動の時代、今に伝える昭和館 仲代達也さんも「感動」
霊峰・白山のふもと「言語島」 じげ弁の話し手を尋ねて
渋沢栄一、戦前も紙幣に登場 日韓併合直前の朝鮮で流通
瀬戸内寂聴さん「令和、日本だけでなく世界の幸せも」
「日本が困難な時、万葉集がはやる」 令和は歴史的転換