第2次世界大戦中、旧日本海軍の切り札ともいわれた戦闘機「紫電改(しでんかい)」。当時、46機の組み立てと試験飛行が行われた兵庫県加西市の鶉野(うずらの)飛行場の跡地に、日本で唯一の実物大模型(全幅11・99メートル、全長9・37メートル、重さ約2トン)が完成した。平和学習などに役立てようと同市がメーカーに発注し、6月の一般公開を目前に控えている。
発案したのは同市と同飛行場の歴史保存に取り組む「鶉野平和祈念の碑苑保存会」。茨城県阿見町にある予科練平和記念館で展示される戦闘機「零戦」の模型も手掛けた、広洋社(水戸市)に製作を依頼した。
同保存会の理事、上谷昭夫さん(80)が、紫電改の設計図や写真を取り寄せ、当時、紫電改を開発した「川西航空機(現新明和工業)」のOBや地元の戦争経験者らの話を元に広洋社と連携して、紫電改の特徴である武装や外装などを忠実に再現した。人力で動かせるので、屋外での展示も可能だ。模型の総工費は約1500万円だという。
加西市と保存会は今後、周辺を…