麻薬取締法違反の罪で起訴されたミュージシャンで俳優のピエール瀧(本名・瀧正則)被告(52)が所属するテクノユニット「電気グルーヴ」の作品を管理するソニー・ミュージックレーベルズに対し、ファンらの有志が15日、CD・映像商品の出荷停止や在庫回収、デジタル配信停止の撤回を求める要望書を提出した。
発起人は社会学者の永田夏来さんと音楽研究家のかがりはるきさん。2人は電気グルーヴのファンで、3月15日にネット上で撤回を求める署名活動を始め、今月10日までに79カ国から計6万4606人分の署名を集めたという。
東京都千代田区の同社で署名を手渡した後、記者会見を開いた。永田さんらは「作品を聴く自由をリスナーから奪った。作品は受け手の財産でもある」などと説明。6月1日をめどに回答を求めるとした。
会見には、趣旨に賛同する首都大学東京教授の宮台真司さん、ミュージシャンの巻上公一さんとダースレイダーさんも出席した。
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芸能人やミュージシャンといった表現者が逮捕・起訴されるたびに、映画の上映やテレビの放映が中止される事態について、日本ペンクラブ(吉岡忍会長)は15日、「作品に罪はない」とする声明を出した。
声明は、いずれの措置も「映画の配給会社、テレビ局、興業会社、レコード会社等々による自主規制によるもの」とした上で、「表現者たちは作品の発表の場を奪われ、表現の自由が侵されている。このような風潮を、表現者の集まりである日本ペンクラブは深く憂慮する」と発表した。