歌手のASKAさんが、未発表曲を芸能リポーターの井上公造さんに提供したところ、無断で読売テレビの番組「情報ライブ ミヤネ屋」で流されたとして、著作権侵害を訴えて約3300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であった。沖中康人裁判長は「公表は許可していなかった」と認め、井上さんと同局に約117万円の支払いを命じた。
判決によると、ASKAさんは2015年12月、「楽曲の感想を聞きたい」と、井上さんにメールで録音データを送った。読売テレビは翌年11月の「ミヤネ屋」で「ASKAさん、覚醒剤使用の疑いで逮捕へ」というニュースを扱った際、この楽曲の一部を流した。裁判で井上さんと同局は「事件報道のための利用」と主張したが、判決は「楽曲は、事件と直接は関係ない」と退けた。
判決を受け、井上さんと同局は「ご迷惑をおかけしたことをおわびします」とそれぞれコメントした。ASKAさんは実際に逮捕されたが、不起訴処分(嫌疑不十分)になった。(北沢拓也)