2016年の米大統領選でロシアがトランプ陣営に肩入れして介入した「ロシア疑惑」をめぐり、米司法省は18日、マラー特別検察官がまとめた捜査報告書を公表した。バー司法長官はこれに先立ち記者会見し、焦点となっているトランプ大統領が捜査に介入した司法妨害疑惑について、妨害する「不正な意図」が認められないとして、「証拠不十分」と結論づけたことを明らかにした。
バー氏は18日午前9時半(日本時間同日午後10時半)すぎ、会見した。トランプ氏による司法妨害の疑惑について10件の事例があったと明かしたが、違法性に関する法的解釈にはマラー氏との間に意見の相違があったとした。
その上で、全体状況を重視し、「トランプ氏が捜査に憤りながらも、ホワイトハウスは捜査に全面的に協力した」と擁護。「トランプ氏の行為が司法妨害にあたるかどうかは別として、不正な意図をもっていなかったとの証拠の方が極めて重い」との認識を示した。
一方、報告書では、大統領による司法妨害の有無を判断するのは、議会に権限があると指摘している。
またロシア政府とトランプ陣営の関係について、バー氏は「ロシア政府が米大統領選への不正な介入活動を支援したが、トランプ陣営や他の米国人が結託した事実は見つからなかった」と語った。トランプ氏は会見後、ツイッターに「ゲーム・オーバー」と投稿し、改めて勝利宣言した。
報告書は18日午前11時~正午(同19日午前0時~1時)、連邦議会に提出され、公表される見通しだ。司法省によると、報告書は約400ページで、機密情報や別件で捜査中の事件に関連する部分などは公表しないとしている。
米紙ニューヨーク・タイムズ(…