かつては日本でもよく見られたチョークを使った駐車禁止違反の取り締まりについて、米国の裁判所が「違憲」とする判決を下した。令状なしの捜索を禁じた憲法修正第4条に反するとの判断だ。取り締まる自治体は手法の見直しを迫られそうだが、スマートフォンで写真を撮れば十分、との声もあがっている。
判決は22日、連邦第6巡回区控訴裁判所(オハイオ州シンシナティ)が出した。ミシガン州サギノー市で2014~17年に駐車違反の切符を15回切られた女性が、市や駐車監視員を相手取り、チョークを使った取り締まりは令状のない不当な捜索に当たり憲法違反、と提訴。第一審は「合理的な捜索」などとする市側の主張が認められたが、女性が控訴していた。
チョークを使った取り締まりでは、駐車中の車のタイヤと地面に印をつけ、車がその場から動いていない証拠とする。判決は、タイヤに印をつけることが、情報入手のために個人の権利が保障された範囲を侵害する「捜索」に当たると認定。市側は取り締まりは捜査ではなく、公共の秩序を守るためで令状は必要ないなどとも主張したが、認められなかった。
南カリフォルニア大のオリン・…