米労働省が3日に発表した4月の雇用統計は、景気動向をよく反映する非農業部門の就業者数(季節調整済み)が前月より26万3千人増と、市場予想(18万5千人増)を上回った。失業率も3・6%と、1969年12月に3・5%を記録して以来49年4カ月ぶりとなる歴史的低水準で、米景気の底堅さを示した。
物価上昇の先行指標とされる平均時給は前年同月比3・2%増と、市場予想(3・3%増)をやや下回った。欧州や中国などの景気が失速する一方で米経済は堅調が続き、失業率も歴史的な低水準を保ってきたが、物価上昇率が伸び悩んでいることが懸念材料となっている。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は1日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、物価上昇の弱さなどを踏まえ、1月以来続けてきた利上げ停止の政策を維持することを決定。景気動向を慎重に見極める姿勢を示したばかりだ。(ワシントン=青山直篤)