前例のない二足のわらじへ、五輪メダリストが踏み出した。フリースタイルスキー・モーグルの原大智(22)だ。昨年2月の平昌冬季五輪で日本男子初の表彰台となる銅メダルを獲得しながら、この春、競輪選手をめざして日本競輪選手養成所(旧日本競輪学校)に入所した。2022年北京冬季五輪の金メダルと、競輪選手としての活躍と、二つの夢を追う22歳の挑戦が始まっている。
9日、静岡県伊豆市にある養成所の入所式に臨んだ男女計93人の中に、原はいた。「プロ(の競輪)選手にならなければ、僕の人生は切り開けない。覚悟は決まっています」。長さ6ミリに整えた初々しい丸刈りで、決意を語った。
挑戦のきっかけは、モーグルのナショナルチームに同行するトレーナーがくれた。しなやかでボリュームのある大腿(だいたい)筋や可動域の広い股関節に触れる度、「お前なら、(競輪で)やっていける」と言われ続けてきたという。
5年ほど前から、トレーニング…