佐藤天彦(あまひこ)名人(31)に豊島(とよしま)将之(まさゆき)二冠(29)=王位、棋聖=が挑戦する第77期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第3局が7、8日、岡山県倉敷市の倉敷市芸文館で指される。
両対局者は5日に現地入りし、昨年7月に西日本を襲った豪雨災害の被災地の倉敷市真備町(まびちょう)を訪問。復興支援イベント「真備こども将棋教室」で地元の子どもたちと交流した。佐藤名人は「昨年の豪雨でたくさんの方が被害に遭われたと聞いております。深くお見舞いを申し上げます。大変な生活の中でも、将棋に楽しさを見いだしてもらえたらと思います」とあいさつ。豊島挑戦者は子どもとの交流を通じて「自分の初心も思い出せて良かった」と話した。2人からサイン入りの将棋盤を贈られた倉敷市立呉妹(くれせ)小学校2年の浦上泰尚(やすなお)くん(7)は「うれしい」と笑顔だった。
今期名人戦は、4月に指された第1局と第2局で豊島挑戦者が2連勝。第3局は令和初の名人戦の対局となり、佐藤名人がシリーズ初勝利をあげて名人戦4連覇への起点とするか、豊島挑戦者が3連勝し、初の名人位へあと1勝と迫るか、重要な一局だ。
持ち時間は各9時間。第3局の先手番は佐藤名人。立会人は淡路仁茂(ひとしげ)九段(69)。
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対局の模様や棋譜は、朝日新聞デジタルの将棋ページ(http://www.asahi.com/shougi/)で随時お伝えします。(佐藤圭司)